「クレジットカードに海外旅行保険が付いているなら、わざわざ別に入らなくてもいいのでは?」
以前の私は、ずっとそう思っていました。
カードの補償を見ると、「死亡・後遺障害 最高5,000万円」「最高1億円」といった大きな金額が並んでいます。
これだけ補償されるなら十分だろう、と。
でも、子どもを連れて海外旅行へ行くようになり、改めて自分のクレジットカードの補償内容を確認したことで、考えが変わりました。
私がいま一番重視しているのは、死亡したときにいくら支払われるかではなく、
- 海外で病気やケガをしたときの治療費用
- 長期入院や家族の駆けつけなどに関わる救援者費用
- 通常の旅客機で帰国できない場合の医療搬送費
です。
現在の私は、クレジットカード付帯の保険だけでは不安が残るため、海外旅行のたびに別途海外旅行保険へ加入しています。
もちろん、カード付帯だけで十分な人もいると思います。
この記事で伝えたいのは、「海外旅行保険には絶対に入るべき」ということではありません。
「海外旅行保険付きのカードを持っているから大丈夫」と思う前に、特に治療費用と救援者費用を一度確認してみてほしい。
これが、何度も海外へ行ってきた私が今あらためて思っていることです。
※この記事に記載しているクレジットカードの補償内容は、2026年8月時点で確認したものです。カード付帯保険や海外旅行保険の内容・適用条件は変更される場合があるため、旅行前には必ず各社の最新情報をご確認ください。
海外旅行保険は必要?私の結論は「治療・救援の補償を見て判断」
海外旅行保険が別途必要かどうかは、「海外旅行保険付きのクレジットカードを持っているか」だけでは決められないと思っています。
私なら旅行前に、最低限この3つを確認します。
- 傷害・疾病治療費用はいくらか
- 救援者費用はいくらか
- 今回の旅行でカード付帯保険が適用されるか
そのうえで、旅行先や滞在日数、家族構成などを考え、別途海外旅行保険へ加入するかを決めます。
死亡・後遺障害の最高補償額が大きくても、海外で病気や事故に遭ったときの治療費用や救援者費用まで同じように手厚いとは限りません。
私は自分のカードを確認した結果、そこに不安を感じたため、別途海外旅行保険へ加入するようになりました。
以前はクレジットカード付帯で十分だと思っていた
「死亡補償最高1億円」という数字に安心していた
結婚前、私は父のアメリカン・エキスプレス プラチナ・カードの家族会員でした。
家族の間では自然と、
「海外旅行保険はクレジットカード付帯で十分」
という感覚になっていて、私自身も特に疑問を持っていませんでした。
親とは別に海外へ行く機会が増えた頃、一度アメックス・プラチナの海外旅行保険を調べたこともあります。
10年ほど前のことなので当時の細かな条件までは正確に覚えていませんが、私の印象に強く残ったのは「死亡保険金最高1億円」といった大きな数字でした。
「これだけ補償されるなら十分だろう」
当時はそう思っていました。
今振り返ると、海外旅行保険の中身をきちんと理解していたというより、一番大きく見える数字だけを見て安心していたのだと思います。
子連れ海外旅行を前に、初めて気になったのは治療費だった
考えが変わり始めたのは、コロナ禍が終わり、久しぶりに子どもを連れて海外旅行へ行くことになったときです。
子どもは旅行先で突然熱を出すかもしれない。
転んでケガをしたり、思わぬ事故に遭ったりする可能性もあります。
そのとき初めて、
「死亡した場合に何千万円もらえるかより、海外で高額な治療が必要になったり、日本へ帰れなくなったりしたときの方が心配では?」
と思うようになりました。
子どもに大きな死亡補償が必要だとは、私にはあまり思えませんでした。
夫についても別途生命保険に加入しています。
それより心配だったのは、海外での高額な治療費や長期入院、救援者費用、そして日本までの医療搬送にかかる費用でした。
自分のカードを調べると、治療・救援の補償は想像より小さかった
現在、私が主に保有しているクレジットカードは、
- 楽天プレミアムカード
- ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード(三井住友VISA)
- Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード
の3枚です。
補償内容を確認してみると、死亡・後遺障害の最高補償額は5,000万円や1億円と大きい一方、私が一番気になっていた治療費用・救援者費用は次の金額でした。
同じ表に並べてみると、その差がよく分かります。
| カード | 死亡・後遺障害等 | 傷害・疾病治療費用 | 救援者費用 |
|---|---|---|---|
| 楽天プレミアムカード | 最高5,000万円 | 各300万円 | 200万円 |
| ANA SFCゴールド VISA | 最高5,000万円 | 各150万円 | 100万円 |
| Marriott Bonvoy Amex Premium | 最高1億円 | 各300万円 | 400万円 |
※2026年8月時点で確認した基本カード会員の主な補償です。家族会員・家族特約・適用条件などはカードによって異なります。
もちろん、カード付帯の海外旅行保険にも十分価値があります。
ただ、私にとっては「最高5,000万円」「最高1億円」という言葉から受けていた印象と、実際に治療費用・救援者費用を確認したときの印象がかなり違いました。
「カードに海外旅行保険が付いている=どんな事態にも十分備えられている、とは限らないんだ」
と思ったのを覚えています。
尚、私が現在使っている3枚のクレジットカードについては、ポイントの貯まり方や使い分けも含めて別の記事で詳しくまとめています。
→ 私が使っているクレジットカード3枚と、その使い分けはこちら
利用付帯も、我が家の旅行スタイルでは少し使いづらい
もう一つ、私がカード付帯だけに頼らなくなった理由があります。
クレジットカード付帯保険には、カードを持っていることで適用される「自動付帯」と、航空券や対象となる公共交通機関などをそのカードで支払うことが条件となる「利用付帯」があります。
我が家は海外旅行へ行くとき、基本的に自家用車で空港へ向かいます。
現地でもレンタカーやタクシーを利用することが多く、電車などの公共交通機関を使う機会はそれほど多くありません。
一方、成田エクスプレスなど対象となる公共交通機関で空港へ向かう人なら、その運賃を対象カードで支払うことで条件を満たせるケースもあります。
つまり、利用付帯そのものが使いにくいのではなく、旅行スタイルによって使いやすさが違うということ。
我が家の場合は、旅行のたびにカードごとの条件を気にするより、必要だと思う補償内容の海外旅行保険へ別途加入しておく方が分かりやすいと感じています。
※利用付帯の条件はカードごとに異なるため、必ず最新の公式情報をご確認ください。
2023年のグアム旅行から、別途海外旅行保険に加入
初めて別途海外旅行保険へ加入したのは、2023年8月のグアム旅行でした。
我が家にとって初めての子連れ海外旅行で、5日間の旅です。
加入したのは、ジェイアイ傷害火災保険の海外旅行保険。
家族5人分の保険料は8,750円でした。
このとき私が特に重視して選んだのは、死亡補償ではありません。
治療・救援費用5,000万円
という部分でした。

この時点ですでに私は、
「死亡した場合の補償より、海外で治療や救援が必要になったときの補償を厚くしたい」
と考えていたことが、今あらためて契約内容を見返しても分かります。
その後のオーストラリア旅行でも、別途海外旅行保険に加入しました。
セブ旅行でも、やはり重視したのは治療費用と救援者費用
2026年のセブ島5日間では、エイチ・エス損保「たびとも」のファミリープランF2に加入しました。
家族分の保険料は8,650円。
主な補償は、
- 治療費用:3,000万円/1人
- 救援者費用:2,000万円/家族
- 賠償責任:1億円
- 携行品損害:30万円
- 傷害死亡:本人2,000万円・家族1,000万円
- 疾病死亡:本人2,000万円・家族1,000万円
でした。

このときも、私が重視したのは治療費用3,000万円と救援者費用2,000万円。
当時は「これだけあれば、かなり手厚いだろう」と思っていました。
でも、その感覚をさらに変える出来事がありました。
医療搬送だけで約4,500万円。知人の事故で一気に現実味が増した
私の知人が、アメリカ東海岸で大きな交通事故に遭いました。
事故後はICUに約6週間入院し、複数の処置や手術を受けました。
また、その間日本から家族が来てずっと病院近くのホテルに滞在して付き添いました。
通常の旅客機で日本へ帰れる状態ではなかったため、医療搬送専用機、いわゆるエアアンビュランスで帰国することになったそうです。
医師と看護師が同行し、給油のため複数地点を経由しながら、アメリカ東海岸から羽田まで搬送。
本人から直接聞いたところ、その医療搬送だけで、
約4,500万円。
アメリカで約6週間受けた治療費は、この金額とは別です。
知人は海外旅行保険に加入していましたが、実際にどこまで保険でカバーされたのかまでは聞いていません。
そのため、
「救援者費用が4,500万円必要だった」
「2,000万円の補償なら2,500万円不足する」
といった単純な比較はできません。
医療搬送費がどの補償項目から支払われるかも、契約内容や状況によって異なります。
でも私にとって大きかったのは、
海外で大きな事故に遭った場合、本当に数千万円単位のお金が必要になることがある
と、身近な人の実体験として知ったことでした。
この事故を聞いてから海外旅行保険に入るようになったわけではありません。
私はすでに2023年のグアム旅行から自分の判断で加入していました。
それでも当時は、「治療や救援に2,000万〜3,000万円くらいあれば十分では」と思っていた部分があります。
それが、医療搬送だけで約4,500万円。
自分の知っている人から直接聞いたことで、一気に現実味が増しました。
海外で病院にかかることは、大事故に限った話でもない
約4,500万円というのは、かなり大きな事故の事例です。
でも、海外で医療機関にかかること自体は、これほど重大な事故に限った話ではありません。
身近でも、
- 友人の子どもが台湾で救急車を利用した
- 別の友人の子どもがアメリカ旅行中に高熱を出し、現地の病院を受診した
という話を聞いています。
子どもは出発前まで元気でも、旅行先で突然体調を崩すことがあります。
そして今では、子連れに限らず、自分一人の旅行だったとしても同じだと思っています。
何が起きるかは分からない。
最近、それを以前よりずっと現実的に考えるようになりました。
家族で約9,000円。それでも今は「安心代」と考えている
海外旅行保険を安いとは思っていません。
グアム5日間で家族5人分8,750円。
セブ5日間で8,650円。
何事もなく旅行が終われば、一度も保険を使わないまま帰ってきます。
実際、私はこれまで何十回も海外旅行へ行っていますが、幸い旅行中に病院へかかったことは一度もありません。
何も起きず、無事に帰ってくる旅行の方が圧倒的に多いです。
だから、
「カードにも保険が付いているのに、さらに家族で約9,000円払うのはもったいない」
という感覚もよく分かります。
以前の私自身が、そう思っていました。
それでも今は、万が一のときに数千万円単位の費用が発生する可能性と比べれば、数千円〜1万円前後で安心を買えるなら払っておきたいと思っています。
保険は、使わなかったら損をしたものではなく、
使うことなく無事に帰ってこられるのが一番。
今はそう考えています。
アメリカ7日間で見積もったら、手厚いプランとの差は1,320円だった
この記事を書くにあたり、改めて海外旅行保険をいくつか見積もってみました。
そのうち、アメリカを含む北米7日間・1人で見積もった保険では、
P1タイプ
- 保険料:2,600円
- 治療費用:1,000万円
- 救援者費用:1,000万円

に対して、
P3タイプ
- 保険料:3,920円
- 治療費用:無制限
- 救援者費用:3,000万円

でした。
差額は、
1,320円。

もちろん、この金額は今回私が入力した条件での一例です。
保険会社、年齢、旅行先、日数、補償内容によって保険料は変わります。
それでも今の私なら、アメリカ旅行でこの差額なら迷わず手厚い方を選びます。
以前は台湾や韓国など日本に比較的近い国なら、もう少しリーズナブルな補償でもいいかなと思っていました。
でも、短期旅行で手厚いプランとの差がそれほど大きくないのであれば、今ならアジアでも補償を厚くすると思います。
「誰でも一番高いプランを選ぶべき」という意味ではありません。
旅行先や日数、補償内容と保険料の差を見て、自分が安心できるところを選ぶ。
その中で、今の私は治療費用・救援者費用を優先したい、ということです。
そして今回、過去の契約を見返してセブ旅行では救援者費用2,000万円を選んでいたことも再確認しました。
この記事を書きながら、
「次の海外旅行では、もう一段手厚くしよう」
と、私自身の保険選びも変わりました。
まとめ|「最高1億円」だけではなく、治療費用・救援者費用を見てほしい
以前の私は、
「クレジットカードに海外旅行保険が付いているなら、それで十分」
と思っていました。
死亡・後遺障害「最高5,000万円」「最高1億円」といった数字を見て、それだけあれば十分だろうと安心していたのです。
でも、子どもを連れて海外へ行くようになり、実際に必要になりそうな補償を調べて、見る場所が変わりました。
そして、身近な人が海外で大きな事故に遭い、医療搬送だけで約4,500万円かかったという話を聞いて、治療・救援に備えることの重要性をさらに実感しました。
クレジットカード付帯の海外旅行保険だけで十分か、別途加入した方がいいかは、人によって違います。
だからこそ、旅行前に最低限、
- 傷害・疾病治療費用はいくらか
- 救援者費用はいくらか
- 今回の旅行でカード付帯保険が適用されるか
だけは確認しておきたいと思います。
そのうえでカード付帯だけで十分なら、それも一つの選択です。
私自身は確認した結果、カード付帯だけでは治療費用・救援者費用に不安が残ったため、現在は海外旅行のたびに別途海外旅行保険へ加入しています。
海外旅行保険を選ぶときに、私が一番伝えたいことは一つです。
高額な死亡時の補償金額だけに目を奪われず、いざというときに本当に必要になる「治療費用」と「救援者費用」をしっかり確認してほしい。
それが今の私の、海外旅行保険選びの基準になっています。



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